宇都宮から日光へ向かう途中に位置する新里(にっさと)地域。ここに江戸時代より継承される方法で栽培され続けているねぎがありす。成長過程におき二度引き抜かれることで特有の曲がった形を持ち、やわらかく甘みのある新里ねぎが生まれます。また新里地域では硬い凝灰岩土壌が広がっており、その地で育つ新里ねぎは必死に根を張り、栄養分を吸い取ろうとした結果、旨味をもったねぎへと成長していくのです。新里ねぎの旨味はねぎの生きようとする力の現れです。この凝灰岩土壌はねぎだけでなく生産者にも過酷な労働を課しています。二度に渡る寄せ替えは機械を使って行いますが、土壌の硬さは機械が止まってしまう程。過酷な労働ゆえ、新里ねぎの生産者は年々減少し、現在ではわずか数軒だけとなってしまいました。生産者がごくわすかな新里ねぎは、入手が常に難しいまさに幻のねぎと言えるのです。




新里ねぎの美味しさは、何と言ってもその甘みと柔らかさにあります。加熱をすることで甘みが増す、というねぎはありますが、新里ねぎは加熱で甘みが増すのはもちろんのこと、生であっても辛みが少ないという特徴をもったねぎです。この美味しさを生み出すのが二度に渡る寄せ替えです。引き抜かれ植え替えられる度、ねぎの外側の硬い皮の部分は枯れ、新しい芽を出そうとします。それが成長過程において二度繰り返される新里ねぎは常に新しい外皮を作り出そうとしている、まさに新陳代謝の良いねぎ。この新陳代謝が、新里ねぎの甘みと柔らかさを生み出しているのです。



※ 新里ねぎづくりに欠かせない寄せ替え作業